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Something Special ~おいしいのその先に~

常田諭史「el puente 〜 スペインの語り部」
感じるリオハの絵本の世界「私の記憶の中のリオハ・覚え書きのノートより・エセキエル・ガルシア」

感じるリオハの絵本の世界「私の記憶の中のリオハ・覚え書きのノートより・エセキエル・ガルシア」
常田諭史

常田諭史

TOMATE代表 SpanishWineExclusivesワインの輸入販売、スペインワイン講師。グランジャポン セールスマネージャー。

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Hola!! リオハワインが大好きな常田諭史です。

前回のコラム(感じるリオハの歴史と文化と味)では、エセキエル・ガルシアについて、また彼の絵本の絵をラベルにしたワインとその楽しみについてご紹介しましたが、今回もその続きです!

エセキエル・ガルシアの絵本「La Rioja en mi memoria Cuaderno de apuntes Ezequiel García」(和訳:私の記憶の中のリオハ・覚え書きのノートより・エセキエル・ガルシア)について詳細を、実際のページと共にご紹介させていただきます。

この絵本は、古き良き時代のリオハのワイン造り、ワインに携わる方々の生活が描かれている、今ではとても貴重な内容となります。知ることでよりリオハのワインの背景を知れ、味わい深く楽しめるようになります。特にエン・ミ・メモリアのラベルのワインを飲む時にそれをイメージできるかできないかではリオハワインの飲む楽しみに大きな違いがあることでしょう。

エセキエル・ガルシアは1930年に生まれ2017年に亡くなるまで、生涯をリオハのワインと共に過ごして来た方です。リオハの歴史上でも偉大な人物と讃えられ、多くのワインファンを夢中にし、後世にも大きな影響を与えた方です。そんな彼がノートに思い出を書き残したものが一つの絵本となりました。

内容は、ワイン畑の仕事、ボデガ(ワイナリー)での仕事、ワインが旅をすること(輸送)、ワイン畑の風景とワインとともに生きる人々の生活について描かれてます。絵本の順で、私の好きなページの一部を抜粋し以下に紹介させていただきます。

剪定作業

秋の終わりと冬の初めに行われる。リオハの原産地呼称委員会の基準にそって、12個から14個の芽を残す。剪定の時期は葡萄栽培には重要だ。腕のいい剪定者は、葡萄の木を形づくるために一番しっかりとした葡萄の枝を選ぶ。剪定された葡萄の枝は、葡萄畑で燃やされ、出来上がった「炭」は、家を暖めるブラセロ(火桶)に使われていた。

今では、枝は高く買い取られ、ラ・リオハ州の有名な代表料理「子羊の骨付あばら肉」を焼く燃料に使われる。独特の風味をもたらしてくれるのだ。

プラスチック箱での収穫

今、収穫は100%葡萄を損なわないよう大切に扱いながら行う。葡萄を切り取り、プラスチックの箱に入れ、その後、トラクターのトレーラーに収まるように箱を重ね、ボデガまでの移送にとりかかるのだ。こうして葡萄の実の特性をまるごと残す。プラスチックを使うことで、箱は楽に洗え、繰り返し使うことができる。

収穫期の至福の時間のひとつが、アルムエルソ(軽食)の時間だ。太陽が照り輝く日は尚更だ。太陽に誘われて、食べて、飲んで…そしてデザートには、葡萄を!!

昔の記憶

葡萄がぎっしり詰まったコンポルタスやコンポルティージョス(60L入る木製の収穫容器)を積んだ荷車がボデガに到着すると、あらかじめ葡萄の重さを計った後に、アルコール発酵用のための蓋のないティナ(発酵槽)に入れられる。計量は、各市役所に資料とその年の最終結果を表明するため不可欠だった。毎日夕暮れ時に、ティナの中に葡萄は広げられ、軽い足踏みをされた。こうして、望んだ容量に達する。

ワインはボトルの中で眠る

「センテナリアス」と呼ばれるボデガは、最初に瓶詰ワインを始めた場所だ。瓶詰の作業は、かなり似通っていた。全てが手作業!

そのため、この仕事には女性たちの姿が多くみられた。産業革命の時期と給与制の仕事に女性が参入し始めた時期が一致していたからだ。ブラシでボトルを中まできれいにして、ワインを詰める。リサイクルだった…!

ひとりがコルクを差し込み、続いて次の作業にバトンタッチ。手作業でエチケットを貼り、蝋封し、紙で梱包。通常は木製のワイン箱に入れる。このようなボデガにはたいてい、木箱や箱を作る工房があった。これぞほんものの手仕事!

ワインは旅する!

その後、大樽のトラック輸送が始まる。大樽を満タンにしたら、「カブリア(起重機)」、つまり斜面を使って、トラックに積みこむ。樽詰め作業の間は、ワインは無料で飲ませてもらえるのがお決まりだった。

ワイン畑の風景

有名な「コンチャス・デル・アロ」には、ワイン畑が広がる。奥にはオバレネスの山々が、そして葡萄畑に沿ってエブロ川が流れている。夏の風景。

ワイン畑の風景

赤葡萄の収穫を終えた畑の燃え立つ赤が、景色を照らす。まもなく葉は落ち、私たちの畑の輝きも終わるだろう。秋の風景。

ワイン、生涯の仲間

夏になると、日が暮れる頃、父はボデガの扉の前の日陰にテーブルを持ち出した。通り過ぎる人たち皆に、冷たく美味しい一杯のワインを振舞った。何でも語り合える時間だった。ワインのおかげで、いつでも友情をはぐくみ打ち解けあうことができた。

ワイン、生涯の仲間

6月29日、サンペドロ祭!!礼拝堂の岩山から降りてきた人々は皆、戦いに身を投じる。思いつくありとあらゆる方法で、ワインを撒く。

典型的なのは、ボータと呼ばれる皮袋の水筒を使うのだが、最後には、皆せっかちになり、誰よりも早くワインをかけ合おうとする。噴射器、大きなワイン差し、バケツなどを使って。めいめい、相手をワインでどうやって「染める」か、手の込んだ方法を考えて工夫を凝らす。

その後は、アルムエルソという軽食の時間!!!最も楽しい祭りのひとつだ。ワインは人々に喜びをもたらす。(いつも節度をわきまえれば)

ワイン、生涯の仲間

アロの「ヴィジャ・サン・イグナシオ」の山荘にあるコートで毎年開かれるペロータのトーナメントが終わると、引き続き、参加者の夕食会が始まる。

夕食会はボデガス・ロペス・デ・エレディアの古い熟成庫で行われた。そこは、最良のワインが寝かされた壁がんに囲まれる典型的な熟成庫だ。

ペドロ・ロペス・デ・エレディアは、素手で行うペロータの楽しさを大いに普及した。彼自身もナイスプレーで熱心に練習に励んだ。

人生のすべてを終えるように、この思い出の記録を終えるとする:テーブルを友と囲み、美味しいワインを分け合って。乾杯!

いかがだったでしょうか?
100ページある絵本の一部のご紹介にはなりましたが、それでも長くなってしまいましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。

また、以下のリンクからエセキエル・ガルシアについての動画をご覧いただけますので、是非こちらも見てみてください

絵本についてご紹介

エセキエル・ガルシアの娘さんラウラ・ガルシアさんが語る父エセキエルについて

さて、あざみのsopa i vidaで毎週金曜日の夜のみに行う

「vino y vida」スペインバル

2024年4月からは「リオハ」にテーマを絞って営業を続けております。今回ご紹介したエセキエルの絵本のページをラベルにした、ワイン名:エン・ミ・メモリアの赤白ワインをいつでも飲めるようにご用意しておりますので、是非遊びにいらしてください!

このコラムを読んでいただいてからのエン・ミ・メモリアの味わいを是非感じていただきたいです。店内に自由にご覧いただける絵本も常に置いてますので、ページをめくりながらお飲みもいただけます!

「vino y vida」の営業についての日程や詳細は、以下のオフィシャルLINEアカウントや「sopa i vida」のインスタグラムから確認できます。

オフィシャルLINEアカウント:https://lin.ee/DYv8BWO
sopa i vidaインスタグラム:https://instagram.com/sopa_i_vida

「ボトルの裏側のストーリー」とともにリオハワインで「最高の乾杯」を。
¡Salud!

最後になりましたが、以下の一枚の絵は、実は私が特に大好きな一ページです。

誰が何をしているところでしょうか?
答えは、絵本を実際に手に取ってのお楽しみにしましょう!笑

常田諭史

常田諭史

TOMATE代表 SpanishWineExclusivesワインの輸入販売、スペインワイン講師。グランジャポン セールスマネージャー。

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