ビクトル・ガルシア「スペインの幸せ」
噂のバスクチーズケーキ
老舗スペイン料理店を営むスペイン人の父を持ち、2012年に「アロセリア・サル イ アモール」を 代官山にオープン。 その後銀座、中目黒、丸の内にも店舗を広げ、その内2店舗でミシュラン・ビブグルマンを獲得する。
スペインには各国同様に色んなスイーツがあります。
クリームブリュレの原型と言われるクレマカタラナ。
アーモンドプードルで作るサンティアゴケーキ。
卵黄と水飴で作る濃厚なプリンのようなトシーノデシエロ。
クリスマスの定番、アーモンドの練り菓子トゥロン。
焼き菓子なら口の中でホロホロ崩れるほど柔らかいポルボロンなどなど。
まだまだ無数にありますが、日本のレストランでもこの辺のラインナップはよく見かけるようになりました。
ただ、3年ぐらい前から一気に有名になったのがバスクチーズケーキですよね。
うちのお店もやってますし、スペインレストランではないお店でも置いてたり、地方のお土産屋さんとかにもあったりと大人気になりました。
バスクチーズケーキというぐらいだからバスク地方の代表的な郷土菓子なのか、、、
実はつい最近までは全然そんなことなかったんです。
サンセバスチャンという街にある小さなバルの名物ケーキ、それがバスクチーズケーキの正体なんです。
サンセバスチャンという街は色んなバルが立ち並んでいて、そのバル街で皆ピンチョスの食べ歩きをします。
あのバルは海老のピンチョスが美味しい!
あそこはタコの料理が美味しい!ここはお肉のステーキが美味しい!など。
色んなお店に名物があり、食通達はその名物を食べ歩くのです。そしてその中のひとつがこのチーズケーキ。「あそこのバルのチーズケーキは美味しい」 そんなふうに言われていました。
僕ら飲食関係者はもちろん知っていましたが、だんだん一般の食通の人や観光客にも知れ渡り、日本のスペインレストラン達が少しずつデザートメニューに取り入れるようになったり、バスクチーズケーキ専門店が現れるようになったり、テレビの番組でサンセバスチャン特集があったり、そして極め付けが某コンビニが”バスチー” という画期的な名前を発明して商品化して、今のバスクチーズケーキの立ち位置が確立されました。
今では現地サンセバスチャンのその辺のケーキ屋さんでも売ってるようになりました。
昔からある郷土菓子じゃないんだ!と思うかもしれませんが、食文化てこうやって作られていくんだと思います。小さなバルが作ったチーズケーキが有名になり世界中に愛され、皆がそれを作り、20年30年経った時にサンセバスチャンの伝統菓子と言われるようになる。
新しい伝統が生まれた感じです。
もちろん僕のお店でもやってます。
ただ僕らは単純なコピーはしません!
これだけ流行ったチーズケーキ、どうせならサンセバスチャンの本場より本場らしくをテーマに現地のバルでも使っていない高級なバスク産チーズをふんだんに使ってレシピを考案しました。とても濃厚な味わい。完全に僕の好みの味ですが、サンセバスチャンのそれより圧倒的に濃厚に仕上げちゃいました。
中目黒と丸の内のお店で食べられます。
https://www.vandk.jp/restaurant/
あと、ECサイトでスペインスイーツのブランド「BABEAR」を立ち上げ、そこでもバスクチーズケーキを買えるようにもなりましたので是非。
・購入サイト
https://www.babear.jp
・インスタ
https://instagram.com/pasteleria_babear
流行りに流行ったバスクチーズケーキ。一過性の流行ではなく、イタリアのティラミスのように日本に定着してくれるためには、こうやって色んなお店が作って色んな人がこのケーキを好きになってくれることが1番大事だと思います。僕らのECブランドで東京に住んでない人にもバスクチーズケーキがお届けできてら嬉しいです。
※ちなみに、僕がよく宣伝してるスペインのココアブランド「コラカオ」。ホットミルクとコラカオと少しラム酒を入れて甘いホットカクテル作ってみて下さい!このバスクチーズケーキにピッタリです!
老舗スペイン料理店を営むスペイン人の父を持ち、2012年に「アロセリア・サル イ アモール」を 代官山にオープン。 その後銀座、中目黒、丸の内にも店舗を広げ、その内2店舗でミシュラン・ビブグルマンを獲得する。