作元慎哉「フェルミンチョの日々のお仕事」
能登を元気にする会

FERMiNTXOオーナーシェフ。1982年7月7日石川県小松市生まれ。大阪辻学園調理師学校卒。卒業後地元のホテルに勤務した後、渡西。Restaurante Alameda, Fonda Sala,Restaurante Neichel, El raco de Can Fabesなど、数々のミシュラン星付きレストランにて研鑽を積む。帰国後、地元石川にてスペイン料理レストランのシェフを勤め、 2011年7月7日、当フェルミンチョ(FERMiNTXO)をオープン。
生まれ育った石川県への愛着も人一倍。いつも石川県「高農園」、「西田農園」の野菜を使用しております。
3月3日 能登の輪島市に炊き出しに行ってきました。

今回も東京中国料理の炊き出しグループに参加させていただきました。
スペイン料理は中野イレーネの数井さんとFERMINTXO。半年前の9月16日にも炊き出しに参加しました。

その時やっと能登の方々にも笑顔が戻ってきて良かったと話をしてました。
しかし9月21日の能登豪雨災害により被災。ラトリエ•ドゥ•ノトの池端シェフは今回は震災の時よりもしんどいですと。
震災から9ヶ月経ちやっと皆さん立ちあがろうとしていた矢先に。10月と11月に水害が酷かった輪島市町野町に泥のかき出しのボランティアに。
本当に水害は酷い。全て持っていかれてしまう。乾いてない泥は重たく、掻き出しは途方もない作業。泥は乾くと粉塵になり喘息の原因になったりする。
10月は公民館の用具庫の洗った物を乾かして片付ける作業。11月は中学校のグラウンドの重機が入らない場所の泥の掻き出しをしました。大した面積ではないけど湿った重たい泥を袋に詰めて車が取りに来れる場所まで一輪車で運ぶ作業は地味に重労働。

まだまだ人海戦術が必要なんだけれども冬は雪に閉ざされてできる作業が限られてしまう。そして時間と共に能登が忘れられていく。行きたくても行けない。行っても出来る事がない。どうしようもできないジレンマに陥る。
2月9日にFERMINTXOでカルソターダとハモンイベリコをを食べて能登を応援する会を催しました。合同会社Beyond100 の山田悠平代表は能登のためのチャリティーイベントをやりたいんだよね。ってお話したら二つ返事で快諾してくださり最上級のハモンイベリコデベジョータと言ってもないのにセボデカンポも持ってきてくださり2種類の生ハムを楽しめるという贅沢な会になりました。
男前な山田代表は高級生ハムを無償提供してくださり、なお、沢山のお客さんを呼んでくださり炊き出しをする原資を作る事ができました。その原資で今回はハモンイベリコを持っていく事が出来ました。こういうチャリティーイベントをやる意味というのはお金を集めるだけが大事な事じゃないんです。能登の現状を知ってもらったり、今何が必要なのか?そして何より能登はまだ大変なんだよと言う事を知ってもらう事。
今回局地で寒波が来ており、輪島市までの道中は雪。輪島市は曇りではありましたが悴む寒さ。
前日に知らされたのですが今回の炊き出しはチケット制。5食で1000円。破格ではありますがちょっとお金を頂くつもりではなかったのでモヤモヤ。(売り上げは子供のために活動している方々に全額寄付)今回は月曜日でクソ寒い日と言うのもあり前回程の人出はなかった。
あと有償か無償なのか。今回の炊き出しイベントやる時に地元の声として地元の飲食店とコンビニの売り上げが下がるからやらないで欲しいと言う声もあったそう。気持ちは分かるがそれならやらない方が良いのか?でもやってみるとわざわざ来てくれてありがとう!美味しい!こんなん食べたの初めて!とか皆さんの喜びの顔や声をいただきやって間違いではなかったなと。何が正解か正直今もわかりません。



最後に池端シェフの挨拶で腑に落ちた事がありました。
やっと震災、豪雨災害の被害者達が再び立ち上がろうとしている段階になったのかなと。。
だからその方々のためにも極力ご迷惑にならない形にしたいので多少なり有料にと。確かにそうだ。延々と無償でやってたら無料が当たり前と思われるし、やっと立ち上がってやろうとされてる方の生業の邪魔になる。最後これで良かったのだと納得できた。それも含めて復興支援は次のフェーズに来たんだなと思いました。
能登までは遠いですが道も整備されてきて少しずつ復興も進んできています。しかし、もう一つ問題が能登に仕事がないため人口流出が止まらないこと。産業がないと町は衰退します。
是非、能登の商品があったら手にとって買って欲しいです。そして能登を忘れないでください。行ってみると良いもの沢山ありますよ!行ってきまっしー!!
FERMiNTXOオーナーシェフ。1982年7月7日石川県小松市生まれ。大阪辻学園調理師学校卒。卒業後地元のホテルに勤務した後、渡西。Restaurante Alameda, Fonda Sala,Restaurante Neichel, El raco de Can Fabesなど、数々のミシュラン星付きレストランにて研鑽を積む。帰国後、地元石川にてスペイン料理レストランのシェフを勤め、 2011年7月7日、当フェルミンチョ(FERMiNTXO)をオープン。
生まれ育った石川県への愛着も人一倍。いつも石川県「高農園」、「西田農園」の野菜を使用しております。