野堀貴則「いつの季節もロゼワイン日和」
冬のガリシアの郷土料理
「estación エスタシオン」オーナーシェフ。神楽坂の人気スパニッシュ「エルプルポ」を経て2015年にモダンスパニッシュとロゼワインをコンセプトに「エスタシオン」をOpen。数年前から年に一回、スペイン地方の郷土料理を学ぶ旅を続けている。特にガリシアが好き。ソムリエの資格も所持し、ワインにも精通。
こんにちは!
神楽坂エスタシオン野堀です。
今回は僕が冬のスペイン料理で1番好きな郷土料理を紹介したいと思います。
「Caldo Gallego/カルドガジェゴ」
ガルド=スープ
ガジェゴ=ガリシア
直訳するとガリシアのスープになります。素晴らしい名前の料理ですね!スペインでも数ある冬の煮込み料理のなかでも、特にガリシアが好きな僕ですが。このカルドガジェゴはほんと日本人にも合う煮込みだと思います。
グロレスというガリシア地方特産のかぶに似た茎や塩漬けした豚背脂肉、生ハムの骨などを使います。豚のスープの旨味がカブやジャガ芋に染み込んだ優しいスープに現地を旅している時も疲れた胃を癒してくれます。カミーノデサンティアゴの巡礼者もガリシアエリアに入ると必ずこのスープにホッと癒されるチカラスープですね!
ここで、このカルドガジェゴのポイントが2つあります。
①グレロス
ガリシア地方で栽培されるカブのひとつです、カブの根を食べるのではなく大きく伸びた緑の茎をたっぷり使います。
②ウント
豚脂の塩漬け。
ガリシアでも12月にマタンサといって豚を一頭丸々潰して冬を越す加工食糧を作ります、その中でも豚の脂を塩漬けにして、クルクル巻いて保存します。カルドガジェゴにもウントを少し刻んで加えてます。この塩漬けで少し酸化熟成したウントが素晴らしい隠し味になります。
③ワイン
ガリシア地方の赤ワイン。
特に僕はリベイロ産の混植混醸の赤ワインが絶妙に合うと思います。
寒い冬にホッと暖かいカルドガジェゴを沢山の人に食べてもらいたい。
エスタシオンでも冬の時期は必ずコースの前半にご用意しています。
また、お鍋ひとつで作れるのでご家庭でも是非チャレンジしてもらいたいですね!
「estación エスタシオン」オーナーシェフ。神楽坂の人気スパニッシュ「エルプルポ」を経て2015年にモダンスパニッシュとロゼワインをコンセプトに「エスタシオン」をOpen。数年前から年に一回、スペイン地方の郷土料理を学ぶ旅を続けている。特にガリシアが好き。ソムリエの資格も所持し、ワインにも精通。