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Something Special ~おいしいのその先に~

野堀貴則「いつの季節もロゼワイン日和」
「ガリシア」の聖地サンティアゴの巡礼

「ガリシア」の聖地サンティアゴの巡礼
野堀貴則

野堀貴則

「estación エスタシオン」オーナーシェフ。神楽坂の人気スパニッシュ「エルプルポ」を経て2015年にモダンスパニッシュとロゼワインをコンセプトに「エスタシオン」をOpen。数年前から年に一回、スペイン地方の郷土料理を学ぶ旅を続けている。特にガリシアが好き。ソムリエの資格も所持し、ワインにも精通。

  • @estacion_kagurazaka:Instagram

東京神楽坂エスタシオンの野堀です。
今回は僕がスペインでも1番好きな場所「ガリシア」の聖地サンティアゴの巡礼についてお話ししたいと思います。
書き出すといろいろと深いお話しもどんどんでてくるのですが、今回は軽くまとめております。 

ガリシアは紺碧に広がる大西洋に面した、古代から現代までの歴史的な魅力に溢れた土地です。傾斜のなだらから山が多く、グリーンスペインと言われるほど深い緑の自然に抱かれるようにして、数々の文化遺跡があり、素晴らしい海と山の幸に恵まれ食文化が育った場所でもあります。

Camino de Santiago/カミーノデサンティアゴ

キリスト教徒には3つの巡礼路があります。
第一の道はエルサレムへの道
第二の道はローマへの道
そして第三の道に、聖ヤコブのお墓があるサンティアゴデコンポステーラを目指す道です。
その巡礼の道はCamino de Santiagoと呼ばれている。

スペイン全土からの巡礼ルートは4つあり
 

  • フランスから北スペインを通る「フランス人の道」
  • オビエドから北の海上を通る「北の道」
  • ポルトガルのリスボンから通る「ポルトガルの道」
  • アンダルシアから通る「銀の道」

この4つのエリアからサンティアゴを目指します。
世界遺産に登録されている780kmのフランスの道が人気で7割の人はこのルートでサンティアゴを目指すそう。

日本では「お伊勢参り」がありますがカミーノデサンティアゴに通ずるモノがありますね。
日本だとおかげ参りとも言われ、神々のおかげを頂くために伊勢神宮まで歩いたのと同じように、スペインでもサンティアゴデコンポステーラを目指して、多くの巡礼者達はその敬虔さ、慈悲の心、罪の償いなどを表現する手段として、聖地サンティアゴに向かいます。

巡礼宿/アルベルゲ

巡礼路の途中には巡礼宿アルベルゲがあり、国と州政府と地方自治体が運営している宿があります。
無償のものから3〜5€で泊まれます。
夜は世界各国からくる巡礼者達とアルベルゲで出逢い食事やワインを楽しみながら交流するのもこの旅の醍醐味ではないでしょうか。

巡礼は自身と向き合う旅でもありますが、各巡礼地でスペインの地方のさまざまな料理やワイン、文化を感じれるのも楽しみの一つです。
バスク、レオン、アストゥリアス、セビージャ、サラマンカなど個性豊かなその土地の郷土料理を味わうことができます。

また、巡礼ルート沿いの街や村の人達は歓待の精神で巡礼者を受け入れ励ましてくれます。
『Buen Camino!!(ブエンカミーノ)』
スペイン語で「良いカミーノを!」という意味。
すれ違う人達が長い旅の途中に声を掛けてくれます。
その背中を押してくれるような恩恵に感謝し、一歩一歩先に進む活力になるんじゃないでしょうか。
とても素敵!

カミーノではホタテ貝のマークが目印になり巡礼者を導きます。
なぜホタテ?!となりますが、諸説はいろいろあるようです。僕が聞いたのは。
聖ヤコブの実家がホタテ貝の漁師で身近にホタテがあったことだそうです。
ヤコブのシンボルになっていますね。
巡礼者達はホタテの貝殻を身に付けホタテを印に歩いていきます。

巡礼証明書/コンポステーラ

サンティアゴ巡礼道を徒歩または馬で100km以上歩いた人、自転車で200km以上走って巡礼者にこのコンポステーラが与えられます。

今回、僕の友人で下北沢の人気スペイン料理店「タウラ」の高橋シェフに実際にカミーノを歩いた感想をインタビューしました!

「ゴールは一緒でも目的によって様々な楽しみ方があると思います。
ワインが好きでそれを目的で歩くのはとても楽しいと思います。産地を沢山横断してくので寄り道してワイナリーを巡りながら歩くのもいいと思いました。ワイン好きなら1番気になるのがBodegas IRACHEのワインの泉ですかね。
蛇口を捻ると赤ワインがタダで出てくる夢のような場所。空のペットボトル持ってて沢山詰めました笑
教会などに泊まらせてもらうとご飯とワインを出してもらえます。毎日交代でオスピタレイロ(お世話してくれる人)が来ててその土地の郷土料理とか食べれる可能性もあります。パスタとか豆と野菜煮たのだけとかもありますが。
(こういう教会などを宿泊施設と開放してる所の宿泊費は毎日の巡礼者のDonativos(寄付)でまかなわれてます。)
自分が料理人だった事もありその日の夕飯の手伝いもさせてもらったりもしました。
アルベルゲでは自分でご飯を調達する必要があります。キッチン付きの宿も沢山あり自炊してる人達も沢山いますしそこで他の巡礼者とも仲良くなれます。色んな国の人たちがいるので皆で作ってシェアしたりするのも楽しいです」

素晴らしいですね!

僕自身ガリシアは何度も行ってるのですが、カミーノはまだ歩いた事はなく、近い将来必ず歩きたいと思ってます。
大好きなガリシアの郷土料理はいつかまたご紹介させて頂きます。

では、皆さんBuen Camino!!!

今回インタビューした友人高橋シェフのお店。下北沢TAULA

野堀さんが名誉顧問をつとめる「あなたのロゼに出逢う旅」。

野堀貴則

野堀貴則

「estación エスタシオン」オーナーシェフ。神楽坂の人気スパニッシュ「エルプルポ」を経て2015年にモダンスパニッシュとロゼワインをコンセプトに「エスタシオン」をOpen。数年前から年に一回、スペイン地方の郷土料理を学ぶ旅を続けている。特にガリシアが好き。ソムリエの資格も所持し、ワインにも精通。

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