マスカットワインを飲んだことありますかっと？

納堂友幸「情熱のアンダルシアワインde乾杯！」
マスカットワインを飲んだことありますかっと？

スペインバルの店長として約15年勤め、2021年よりアンダルシア州政府公認の「初代アンダルシアワイン・アンバサダー」に就任。ソムリエ、公式ベネンシアドール、日本ワイン検定１級を持つ。スペイン業界の赤い彗星。

Hola！情熱スパニッシュ！西荻窪アピエの納堂です！暑中お見舞い申し上げます！

今年は、早くから夏本番が始まっておりますが、皆様、いかがおすごしでしょうか？
今回は、この夏にオススメのアンダルシアワインについて、お話をしていこうと思います！

テーマは「マスカット」です！皆様は、マスカットのワインを飲まれたことありますかっと？（しつこい！^^;）
スペインだと「モスカテル」、フランスだと「ミュスカ（ミュスカデじゃないよ）」、イタリアだと「モスカート」と言うので、どこかで飲まれたことがあるかもしれません。
マスカットの原産地は、北アフリカ辺りで、一番有名なマスカットの起源と言われる「マスカット・オブ・アレキサンドリア」は、エジプトの港街の名前が由来となっております。この「マスカット・オブ・アレキサンドリア」からいろいろ品種交配があり、日本だと「シャイン・マスカット」や「マスカット・ベーリーA」や「甲斐路」などなどが生まれました。

さてさて、話をスペインに戻しますが、アンダルシア地方は、ワイン用だけでなく干しブドウ用の食用マスカットの栽培も有名で、とても古くから栽培が行われていました。原産地の北アフリカから近いですからね。
今回は、マラガとシェリーの産地のマスカット（以後、モスカテル）のワインについてご紹介しいきます！

ボタニ・モスカテル・オールド・ヴァインズ／ボデガス・ホルヘ・オルドニェス

先ずは、グランジャポン・コラムでお馴染みの新倉シェフおすすめの街「マラガ」についてです。
マラガは、アンダルシの南側の海岸沿いにある風光明媚な街で、「コスタ・デル・ソル」とか「白い村」が観光地としても有名な街です（詳しくは、新倉シェフのコラムで！）。
ワイン造りは、山の方で行われており、17世紀ぐらいには、イギリスでも人気になり、モスカテルでつくったマラガ産ワインのことを「マウンテン・ワイン」とか「マラガ・サック」と呼ばれ、海外でも人気となっていました。
その当時は、甘いワインが好まれていたので、マラガでも質の高い甘口ワインをつくっていました。

その後、時代の変化により、マラガでもモスカテルから辛口ワインをつくるようになりました。今は、辛口タイプのワインは、別の原産地呼称にも認められ「シエラス・デ・マラガ」と呼ばれております！
今回ご紹介するワインは、このシエラス・デ・マラガ産の辛口モスカテルワイン、【ボタニ・モスカテル・オールド・ヴァインズ／ボデガス・ホルヘ・オルドニェス】です！

モスカテル特有のアロマティック感は、控え目で落ち着いた印象、味わいは、とても凝縮感のある完熟した桃の中にしっかりと旨味の詰まった味わいで、最後は、しっかりとした切れのいい酸味も感じて、バランスがとても良いです！
アロマティック系バリバリのワインは、料理に合わせにくいものもありますが、このワインは、魚介系から肉系の前菜まで、幅広く合わせたくなる味わいです！
今回、私のおすすめのマリアージュ料理は、定番の「豚肉の田舎風パテ」に、フレッシュ・オレンジジュースとマラガ産の干しブドウとクミンをアクセンとに入れた「キャロット・ラペ」を添えてみました！
想像通り、いや！それ以上に、最高に合いましたー！(^^)

バロン社ミカエラ・モスカテル

次は、シェリーのモスカテル！オススメは、グランジャポンさんのネットでも販売中の、【バロン社ミカエラ・モスカテル】です！(^^)
こちらは、モスカテルを１～２週間天日で干してから、シェリーにするという、とても手間暇の掛かることしてつくられる甘口のデザートタイプ・シェリーです！
干しブドウ状態からつくらた大量生産ができない希少なシェリーで、香りの中に、ダージリンティーのような上質な紅茶の香りがするのが特徴で、ただ甘いだけじゃなくしっかりと酸味があるので、一口飲むだけ、夏バテが吹き飛ぶ味わいです！
寝る前に飲むと、とてもスウィートな夢を見れますよ！(^^)