Ganjapon - グランジャポン

Something Special ~おいしいのその先に~

金子シュウイチ「no spanish wine no life」
SPAIN FUSION TOKYO 2024

SPAIN FUSION TOKYO 2024
金子シュウイチ

金子シュウイチ

都内でスペイン料理店を展開するSoLグループ株式会社ソルインターナショナルの統括マネージャー/統括ソムリエ。イベント企画やセミナー講師などを通じ、スペインワインの普及に尽力。スペインのクラフトワインとスポーツを愛してやまない。

  • marisqueria SoL | 六本木のスパニッシュバル

こんにちはマリスケリアソルの金子です。

先日9月11日にコンラッド東京にて【Madrid Fusión】のサテライトイベント【SPAIN FUSION TOKYO 2024】が初開催され僕自身もスタッフと共に参加してきました。とても刺激的で有意義な時間を得ることが出来たのでここで少しお話させて頂こうと思います。

このイベントの元となっているMadrid Fusiónとはスペインのマドリードで22年間毎年開催される世界的なガストロノミー(美食学)のイベントでして、世界中のトップシェフや専門家が集結し、最先端の料理技術やイノベーションを追求し、紹介する場として世界的にも料理業界で働くプロフェッショナルにとって非常に影響力のあるイベントとなっています。

そのMadrid Fusiónが今回始めて日本にてサテライトイベントとして開催されたのが、SPAIN FUSION TOKYO 2024です。

スペインからTOPシェフ、各分野のスペシャリストをゲストに招き、計6分野のプレゼンテーションを行いました。僕は全セミナー参加する事が出来ました。ラッキーでした。

今回の目玉のスペシャルゲストとは、ミシュラン3つ星レストラン「Quique Dacosta」キケ・ダコスタ氏、ミシュラン2つ星レストラン「Mugaritz」アンドニ・ルイス・アドゥリス氏、ミシュラン3つ星レストラン「El Celler e Can Roca」からはロカ三兄弟のヘッドシェフジョアン・ロカ氏が急遽これなくなり、シェフパティシエのジョルディ・ロカ氏と甥っ子のマルク・ロカ氏とマルティ・ロカ氏が来日されました。ソムリエの僕にとって一番注目していたのは、マスター・オブ・ワインのフェルナンド・モラ氏のプレゼンテーションでした。

まず初めにグルメ専門家『Morro Fino Foods』の創設者アルフォンソ・フェルナンデス氏が壇上しSPAIN FUSION TOKYO 2024が開催しました。

最初のプレゼンテーションはバスク地方のギプスコア県のエレンテリアにある、ミシュラン2つ星ムガリッツ(Mugaritz)のアンドニ・ルイス・アドゥリス(Andoni Luis Aduriz)氏によるハチミツについてのプレゼンテーションでした。

ハチミツは世界でも少ない賞味期限がない自然がもたらしたとても貴重な食材であり、調味料とのこと。500gのハチミツを作るのにミツバチは11400回往復をするそうです。スペインの巡礼旅コンポステーラを約21回往復する距離に相当するそうです。ハチミツの起源は諸説ありますが、古代エジプトやローマで2000年前から使用されていたという記録もあり、バレンシア近くの洞窟壁画では8000年前からはちみつを採取している様子が描かてれいたそうです。

ムガリッツのラボではこのハチミツを用いた技法で様々な調理研究が行われなているそうで、今回はその中からいくつかのプレゼンテーションが行われました。この天然のハチミツから生まれたお酒ミードを用いた一皿や、ハチミツの巣とウニを合わせ甘みと塩味の調和をあらわした一皿は特に面白く、ビーワックス(BEEWAX)というミツバチが巣を作るために分泌する天然のワックス(蝋)を用いる調理技法は始めて目にするものばかりでした。

次にJCHA一般社団法人日本生ハム協会代表理事渡辺直人氏とマスター・オブ・ワインのフェルナンドモラ氏による『ワイン&ハモン~素晴らしい独自のハモンとワインの組みあわせ~』でした。

なんといっても感動したのはJOSELITO JAMON IBERICO DE BELLOTA 2017を味わえたこと。これだけでも参加して良かったと思う味わいでした。香り、色あい、光沢、旨味、コク、持続性、本当素晴らしい味わいでした。

モラ氏のワインプロモーションは、スペインワインの歴史を構築した偉人たちを『THE CLASSICS』『THE PIONEERS』『THE NEW KIDS ON THE BLOCK』と分類し、今のスペイン革命をエブロ川沿い、グリーンスペイン、アイランドワインに分けての説明。僕にとっては追い続けているスペインワインを再確認できる良い機会でした。

ハモンとのマリアージュも素晴らしく特に味覚やワインの味わいを科学的にしっかり分解して紐づけるアプローチは元々風力発電の技術者だけあって、とても種になるアプローチでした。モラ氏は最後のプロモーションでもMASIAのマテウ氏と『白に染まるスペインガストロノミーの世界』で白ワインのについて産地や醸造による特徴と味覚によるアプローチの紐づけの説明は興味深い内容で、新たな発見になりました。

その後も「Quique Dacosta」キケ・ダコスタ氏による、赤身の魚、卵巣、蛸の旨味を引き出す調理技法や、「El Celler e Can Roca」のジョアン・ロカ氏によるムール貝、あさりなどの二枚貝にアルバリーニョのソースや桃のコンポートを合わせた実演のプレゼンテーションなど盛り沢山でした。

19時からは祝賀パーティーにも参加させて頂き、スペイン業界を盛り上げる沢山の顔なじみの関係者の方とすっかり気持ち良い気分で楽しませて頂きました。

ざっくりとしたお話になってしまいましたが、SoLのスタッフも皆で参加してきましたので、詳しい話は又お店で出来たらと思います。僕のお店でも少しづつブラッシュアップしていきたいと思います。では又次回お会いしましょう。

魚介専門店六本木一丁目「マリスケリアソル(marisquería sol)」のご紹介

魚介専門店六本木一丁目「マリスケリアソル(marisquería sol)」
店舗情報
住所 〒106-0032
東京都港区六本木2-3-6セントラルクリブ六本木2-1F
アクセス 東京メトロ「六本木一丁目駅」3番出口より徒歩2分。東京メトロ「溜池山王駅」13番出口より徒歩6分。東京メトロ・都営大江戸線「六本木駅」6番出口より徒歩7分。「六本木一丁目駅」3番出口を出て、歩道橋で麻布通り・六本木通りを渡る。歩道橋を降りて、すぐ右手に現れる店舗へ。
URL http://www.marisqueria-sol-roppongi.com/
金子シュウイチ

金子シュウイチ

都内でスペイン料理店を展開するSoLグループ株式会社ソルインターナショナルの統括マネージャー/統括ソムリエ。イベント企画やセミナー講師などを通じ、スペインワインの普及に尽力。スペインのクラフトワインとスポーツを愛してやまない。

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