金子シュウイチ「no spanish wine no life」
Basque Week Japan セミナーレポート
都内でスペイン料理店を展開するSoLグループ株式会社ソルインターナショナルの統括マネージャー/統括ソムリエ。イベント企画やセミナー講師などを通じ、スペインワインの普及に尽力。スペインのクラフトワインとスポーツを愛してやまない。
こんにちは。マリスケリアソルの金子です。
すっかり気温も落ち着き秋の旬の味覚や、冬の味覚も芽生え始め、なんのお酒を飲もうかワクワクしている今日この頃です。
先日10月14日~19日に池袋で
【Basque Week Japan – Basque Week in Toshima】
という素敵なイベントが開催されました。【日本とバスク交流年2023】の一環として日本とバスク自治州が協力して、スペインに関わる多くのプロフェッショナル方々が集い、バスクの食文化を始め伝統工芸、スポーツ、言語など様々な文化を発信、五感で体験できる素晴らしいイベントだったと思います。日本中のスペインフリークの方々にも久しぶりに沢山合うことが出来ました。
バスクと言えばイベリア半島の北、フランスの国境の地域に広がる、独自の文化や言葉を持つ地域です。
カンタブリア海に広がるきれいな海岸線、山岳地帯に位置し、特に食に関して言えば、ピンチョス発祥の地として有名なエリアですが、カンタブリア海域の漁業と加工産業、海域の潮風と山の影響を受けて育つワイン産業、ビルバオ周辺やギプスコア県などの内陸部は農業などが盛んで、この地に住むバスク人により、長い歴史とともに独特なアイデンティティーを継承し、食文化を確立し、世界を代表する美食の街と言われています。スペイン料理界の中でもここバスクで修行される方も多いエリアですね。
そんな中、としま区民センターでは毎日プロ向けのセミナーが毎日開催されていました。バスクの食、ワインをテーマに8項目が開催され、僕は初日の【白ワインとリンゴ酒】のセミナーに参加させて頂きました。参加したい項目は沢山あったのですが、一人セミナーとの事でした。残念。
講師はバスクワイン文化伝道師ソムリエのMikel Garaizabal氏が壇上、お話上手でジョーク交じりにセミナーを盛り上げてくれました。
試飲したワインはチャコリ3種類、シードラ3種類でした。
今回参加させて頂いて記憶に残った部分を箇条書きにしてまとめて見ました。
◎まず初めにチャコリは目で楽しめるワインということ。
チャコリの緑は、パイスバスコの自然の緑からの色である。そしてカンタブリア海の海の影響、雨の多い気候からの影響をもたらしている。
◎ブドウはオンダラビ・スリとオンダラビ・ベルツァを80%以上使用しなければならない。
収穫したブドウを持ち込む予定でしたが、空港で犬にバレて全て没収されてしまったと言っていましたw(会場爆笑)
◎近年は熟成タイプのものも増えてきましたが、チャコリは早飲みのスタイルも多く、その年の収穫によって味わいが大きく変わってくる。
◎チャコリの生産量は少なく81のワイナリー、950ヘクタール。つまり1ワイナリーあたり12ヘクタール程。生産量は700万㍑ ブランド価値を落とさないように生産量は多くなりすぎないようにしているとの事でした。
◎チャコリは舌の味蕾の様々な部分で味わいを感じる事が出来る。
香りは鼻から直接感じる香りと、飲んでから鼻腔を抜けて香ると両方で楽しめる。
ビスカイヤのチャコリはパイン、すみれの香りが特徴的。
その他、青リンゴと樽の香りも試しましたが、かなり甘めのバニラ香が特徴でした。
◎チャコリは舌、鼻、舌触りの三つの要素で楽しみます。
元々チャコリには酸味と苦みの要素が必ず含まれる為、炭酸を加え苦みをやわらげていたが、近年、栽培方法や醸造方法の進化により苦みが和らいで造られているものが増えてきているので、スティルタイプのが増えてきている。
エスカンシアもする必要はない。エスカンシアをするのであれば、一口ずつするぐらいの方が良い。注いで20秒で味わいが壊れてしまうとのことでした。
炭酸が多いと香りが損なわれやすい。
エスカンシアという文化はゲタリアで1970年~1980年代から始まったがそれ以前ではそういう飲み方はしていなかったそうです。
◎天然酵母を使用する生産者の中ではシュール・リー製法が増えてきていて、より味わいに深み熟成感、酵母による旨味が際立っている。
◎後半はシードラについてでしたが、チャコリが部分が長くあまり多くには触れませんでしたが、euskal sagardoaの原産地呼称により、高品質なものが増えてきたとのこと。
CO2、水、砂糖を一切使わない、ナチュラルシードラであり、115種類のリンゴの種類があり主に24種類が使われている。その中から厳選なチェックを通過したシードラには赤いラベルが付けられ、更にその上により厳選されたシードラには金のラベルが付けられている。
ピンチョスは【ビルバイーノ】と言うビルバオ人というピンチョスを【アラルデ】の山本シェフとパスククリナリーセンター講師のHector Cabello氏によるピンチョス。茹で卵、マヨネーズ、茹で海老、オリーブを使った一品でした。
本当にバスク盛りだくさんの一週間だったと思います。このイベントに関わり尽力された方のバスク愛が存分に伝わりました。
これを気にバスクの食文化や伝統、言語、スポーツなど様々な分野に足を踏み入れてみてはいかがですか??
魚介専門店六本木一丁目「マリスケリアソル(marisquería sol)」のご紹介
店舗情報 | |
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住所 | 〒106-0032 東京都港区六本木2-3-6セントラルクリブ六本木2-1F |
アクセス | 東京メトロ「六本木一丁目駅」3番出口より徒歩2分。東京メトロ「溜池山王駅」13番出口より徒歩6分。東京メトロ・都営大江戸線「六本木駅」6番出口より徒歩7分。「六本木一丁目駅」3番出口を出て、歩道橋で麻布通り・六本木通りを渡る。歩道橋を降りて、すぐ右手に現れる店舗へ。 |
URL | http://www.marisqueria-sol-roppongi.com/ |
都内でスペイン料理店を展開するSoLグループ株式会社ソルインターナショナルの統括マネージャー/統括ソムリエ。イベント企画やセミナー講師などを通じ、スペインワインの普及に尽力。スペインのクラフトワインとスポーツを愛してやまない。