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Something Special ~おいしいのその先に~

髙橋綾乃「\もっと/チャコリを飲もうよ」
実家への帰省で思いを馳せたバスクの文化

実家への帰省で思いを馳せたバスクの文化
髙橋綾乃

髙橋綾乃

北スペイン、バスク地方の地ワインである「チャコリ」に惚れ込み、現地ワイナリーで働いた初めての日本人。バスク好き、チャコリ好きな仲間をもっと増やす&一緒に楽しむために活動中。バスクワイン専門店「チャコリを飲もうよ」店主/日本チャコリ協会 会長。


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Kaixo!(カイショー!:バスク語で「こんにちは」)

バスクワイン専門店「チャコリを飲もうよ」の店主であり、「チャコリ伝道師」の髙橋綾乃です。

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。

バスク語では「Urte berri on!」(ウルテ・ベリ・オン!)

今年1年が皆様にとって楽しいことで溢れるものとなりますよう心からお祈りしています。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

年明け1つ目のコラムは、年末年始を実家で過ごして思ったことをお話したいと思います。

 

久しぶりの実家での年末年始

今年は久しぶりに(10年以上ぶりに)私の実家のある静岡県・下田に夫と帰省をして年末年始を過ごしてきました。

両親と過ごす年末年始は本当に久しぶりで、山と海に囲まれた自然豊かな下田でゆっくりとしたお正月を過ごすことができました。「山と海に囲まれた」という一言ですでにバスクの風景ともリンクしてしまう私です。この地元の風景が、バスクへの憧れを抱くきっかけにもなっているのかなぁと思ったり。

ちょうどシーズンの水仙祭りに行ったり、釣りをしたり、地元の小さな(でも素敵な)水族館に行ったり、のんびり過ごす中で、改めて家族で過ごす時間の尊さを感じるひとときがありました。

元旦の釣りでカサゴを釣りました!お味噌汁にしていただきました。身がふわふわで美味しかった〜。

 

お鮨をみんなで握りながら

私の実家では、昔から「お鮨は父が握るもの」なのです。もともとスーパーの鮮魚部で働いていた父が握ってくれるお鮨は本当に美味しいんです。ちなみに酢飯は母の担当。この酢飯の加減も絶妙なんですよ。

今回は私と夫も、父に教えてもらいながら一緒にお鮨を握りました。こっちの手にシャリを握って、こんな風にネタにわさびをつけて、こうやって全体を整える・・・

父はいかにも簡単な事を教えるかのようにさっさとやってしまう。その流れに私と夫はついていけません。少しずつコツを掴みながら、なんとなく形になっていくお鮨たち。私が握ったものは「シャリが大きすぎる!」と何度も注意をされてしまいました。

そしてそれぞれが握ったお鮨を、自分以外の家族のお皿に並べていく。

例えば、私が握ったものを母のお皿に、夫が握ったものを私のお皿に置いてくれる――その瞬間、自分たちでお鮨を握っているという楽しさとは別の、思いやりや分かち合いの感覚がふわっと湧いてきたのです。

家族が握ってくれたお鮨は、不格好でも美味しい。

 

「作る・分かち合う・楽しむ」がある食卓

この雰囲気は、まさに去年現地バスクでも日本(三島でのイベント)でも経験した、バスクの人たちが大事にしている「美食倶楽部」の文化だと思ったのです。

 現地では「ソシエダ・ガストロノミカ」と呼ばれ、直訳すると「美食倶楽部」と表記されることが多いのですが、日本語で表現するような仰々しいものではなく、実際は「気のおけない家族や友人と集まり、一緒に料理をしながらおいしいものを楽しむコミュニケーションの場」というイメージ。

私も何度も現地の友人たちに招待してもらって一緒に食事をさせてもらったことがあります。家族の誰かが会員になっているソシエダに、みんなで集まってわいわい飲みながら料理をして、出来上がった料理を皆で囲みながらゆっくりといろんな話を交わす。その時間を共有するということがバスクの人たちが大事にしている文化の一つなのです。

三島でのイベントの時の写真。皆で作って皆で食べると、最後にはこの笑顔。

誰かがずっとキッチンにこもっているのではなく、またはシェフが作ってくれたものをレストランで頂くのとはまた違った食の魅力。皆でわちゃわちゃしながら一緒に料理をして、出来上がったものを皆で囲む。日本の食卓にも、そんな時間がもっと増やせたらいいなぁと改めて強く思ったのでした。

そして、そんな時間っていいね!と共感してくれる仲間をもっと増やしていく活動もしていきたいなぁ、と心から思ったのでした。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

ではではまた!

Agur!(アグール!:バスク語で「またね」!)

髙橋綾乃

髙橋綾乃

北スペイン、バスク地方の地ワインである「チャコリ」に惚れ込み、現地ワイナリーで働いた初めての日本人。バスク好き、チャコリ好きな仲間をもっと増やす&一緒に楽しむために活動中。バスクワイン専門店「チャコリを飲もうよ」店主/日本チャコリ協会 会長。


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