増渕友子「カタルーニャのこと色々」
Casa Malla カサマイヤの始まり
お正月が終わり、新しい年の日常生活がスタートしたばかりですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
このコラムがアップされるのが2025年1月10日ということで、私がカタルーニャから帰国したのが2011年1月9日だったことを思い出したので、今回は私のレストラン「カタルーニャ厨房カサマイヤ」の始まりの頃のお話を少し。
私がカタルーニャでの6年4か月の生活を終えて日本に帰って来たのが2011年の1月9日の朝、偶然でしたが私の誕生日でもありました。
2000年の秋に鉄砲玉の如くイタリアへ渡って以来、もう日本には戻って来ないだろうと思われていた私が帰って来たのは、長年の夢であった自分のレストランをいよいよ開業するためでした。
あてもなく、お金もなかったのに、やる気は満々で、何とかなるだろうと思っていました(笑)。
店の名前はもう決めていました。
私が働いていたレストランEls Casals エルスカサルスの名前を使ってもいいよとシェフは言ってくれましたが、それよりも私はシェフの実家Casa Mallaカサマイヤの名前を貰いたいとお願いしました。それは素晴らしいと皆喜んでくれました。
Casa Mallaはレストランの近くにあるシェフの実家で、その村で一番の大きな農家です。
豚、鶏、牛がいて、大きな畑があり、レストランの主な食材はカサマイヤで作られています。
シェフのお母さんを始め家族の皆さんにお世話になり、私にとっても第二の実家であります。
日本に朝着いたのでたっぷり1日時間があり、家族が探してくれていた物件をこれから見に行こう!という流れになりました。
すぐに不動産屋に連絡し、実家のある小田急線相模大野から2駅隣りの玉川学園前へ。
2軒目で今のこの場所を見て即決し、翌日から開業準備が始まったのです。
工事中だった3月11日に東日本大震災が発生しましたが、それほど大きな影響はなく、予定より10日遅れて完成、4月末にオープンすることができました。
あれからもう14年。
コンセプトや店作りなど全てが自己流で、よく続けて来られたなと思います。
本当にお客様、業者様、スタッフ、家族、私の周りの全ての人のおかげです。
今でも時々、店内をぐるっと見回して、私の夢が現実に形になっている!とハッとすることがあります(笑)。
まだカサマイヤに来たことのない皆様、ぜひ一度、私の夢の城へ遊びに来て下さい。