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Something Special ~おいしいのその先に~

常田諭史「el puente 〜 スペインの語り部」
年末年始 感じるスペイン

年末年始 感じるスペイン
常田諭史

常田諭史

TOMATE代表 SpanishWineExclusivesワインの輸入販売、スペインワイン講師。グランジャポン セールスマネージャー。

  • おすすめのリオハワインを取りそろえる常田酒店
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¡Hola!常田諭史です。スペインの温かい人々と、多様な食文化、そして各地で飲まれるワインの美味しさに惚れ、スペインワイン一筋。年間通してスペインワインを飲みますが、年末年始は人と会う機会が多く、1番ボトルが開く時期ですね。

早速ですが、スペイン人の年越し方法はご存知でしょうか?
日本人が年越し蕎麦を食べる習慣があるように、スペインにも特有の習慣があります。スペインでは大晦日をNoche Vieja(ノーチェ・ビエッハ)と呼び、新年を迎える0時の鐘の音に合わせて12粒の葡萄を食べる習慣があるのです。12回の鐘に合わせて食べきると幸福が訪れると考えられています。ブドウを1粒食べるごとに願い事をしたり、今年あったことに感謝するという人もいます。

スペイン人は大晦日の夜には、クリスマスの時の様に家族と一緒においしいものを食べ、その後テレビに集まります。『ゆく年くる年』の様に、首都マドリード中心地プエルタ・デ・ソルの時計台がテレビ中継され、鐘の音に合わせて皆が葡萄を口にします。鐘が鳴るのは3秒に1回。3秒で葡萄1粒を食べる計算です。間に合うように食べるために、葡萄の皮をあらかじめ剥いておく人も多いとか(笑)。喉に詰まらせない様に注意しなきゃですね。鐘が鳴り終わった後は、新年を皆で無事迎えたことを、ハグやキス、そして乾杯で祝います。もちろんその時の乾杯酒は多くの場合スペインのCAVA(カバ・スペイン産スパークリングワイン)になります!

この時食される葡萄について調べてみました。
葡萄の旬は夏の終わりから秋ですが、今や一年を通して見かけるフルーツです。この時期に出回るぶどうの大半は、バレンシア州アリカンテ産のAledo(アレド)という品種の白葡萄だそうです。この品種は熟成が遅いので、食卓に上がるのは11月ぐらいからになるのでこの時期に大活躍するのです。余談で、隣国のポルトガルでも同じように、年越しに12粒の葡萄を食べる習慣がある様ですが、フレッシュな葡萄ではなく干し葡萄とのこと。

でもなぜ葡萄を食べるのでしょうか?この習慣の始まりについては、主に二つの説があります。

1つ目は、1909年アリカンテで葡萄が大豊作だったことから始まったとする説です。
この年、葡萄が大豊作だったため、生産者が葡萄を売り込むために「大晦日に葡萄を食べると幸運になる」というキャンペーンを行いました。このキャンペーンが大当たりして、大晦日にブドウを食べる習慣が始まったとのことです。大晦日用に12粒のブドウの入ったパッケージでも売られてるとか。なんだか七草粥のセットみたいですね(笑)。

2つ目は、上流階級がブドウとシャンパーニュで年末年始を祝う習慣があったのが、一般的に広がったという説です。
1880年ごろスペインの上流階級ではフランスの習慣を真似て葡萄とシャンパーニュで年末年始を祝うようになっていました。これをマドリードの一般階級の人々が真似て、プエルタ・デル・ソルで大晦日に時計台の鐘の音を聞きながらブドウを食べ始めたのが始まりとされています。

起源はどちらにせよ、このお祝いの仕方はスペイン人にぴったりなのでしょうね。流石ワイン大国スペインです!!

そして年末年始の食とワインについて。
日本でも多くの人が毎年、その年一番の贅沢をするのが年末年始ではないでしょうか?年末には一年をやり切った自分や家族を癒す贅を。年始には新たな年の発展を祈願して美味しいおせち料理やお雑煮を食べますね。そんな時にはやはりお酒が必要ですね。日本酒好き、ビール好き、それぞれ好みのお酒を飲みますが、私はやっぱりワインですね。彩り豊かなお料理に寄り添ってくれる、見た目にも華やかなロゼワインがお勧めです!

年末年始の食べ物を思い浮かべてみてください。地域性や、家族によって食べるものはまちまちですが、蕎麦、寿司、すき焼き、刺身、鍋、天ぷら、焼肉などが人気ですね。新年には、お煮締め、お雑煮、ハムなどと。しかも何品目も、いくつもの料理が同時に食べられたりします。家族で食べるので前日の残りを次の日になど、特におせちは数日かけて食べますね。おせち料理は、味付けがしっかりしていて、甘味、酸味、塩気が多かったりします。そんな味の幅にもスペインのロゼワインは対応してくれます。

スペイン産のワインは気候のおかげで、しっかりした味わいにボリュームや厚みがあることが多いです。ですから、食事が濃い味付けや、甘・酸・塩味があっても、ロゼワインが受け止め、寄り添ってくれるのです。何飲もうかな?と迷わずにスペインのロゼワインを開けてみてください!お料理に合わせやすく、そして気分の上がった食卓をさらに盛り上げてくれることでしょう!

このコラムを参考に、現地スペインを思い浮かべたりしながら、スペインのロゼワインを飲み、年末年始あなたなりの楽しみ方をしてみてください!

それでは良いお年をお迎えくださいませ。
¡Feliz Año!

<大注目!!>スペイン食材の輸入卸販売「グランジャポン」がご提案する、個性あふれるスペイン各地のワインと、思わず笑顔になるグルメのマリアージュ体験ができる特別な定期便。スペインの様々な風土や文化をワインと食を通して「旅するような感覚」を、ご自宅にお届け致します。

SWEが制作した動画から2021年一番力を入れて製作した、「ワインで繋がる」日本とスペインのスペシャル映像をシェアさせていただきます!これを見るとさらにスペインワインが飲みたくなることでしょう!
コラムライターの金子ソムリエ野堀シェフと登場しています:

常田諭史

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TOMATE代表 SpanishWineExclusivesワインの輸入販売、スペインワイン講師。グランジャポン セールスマネージャー。

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