常田諭史「el puente 〜 スペインの語り部」
感じるバレンシア
¡Hola! 常田諭史です。スペインの人々の温かさと、ワインが当たり前にある食文化に惚れ込み、バレンシア在住経験(1年3ヶ月)があります。滞在期間中、スペイン中のワイナリー(ボデガ)を訪ね回り、造り手と語りながら飲み食べしました。スペインは地方ごとに文化が違い、郷土料理も異なります。その食に合うよう長い年月にわたり造られた地元ワインの組み合わせは最高です。出会った生産者のワイン(全て日本初上陸)を自社輸入し、主に飲食店向けに販売しております。バレンシアでの生活の後も可能な限り毎年スペインに足を運んでおります。
以上の経験から“スペイン食文化の楽しみ”をリアルな体験を元に語ります。
栗原さんのバレンシアパエリアについての投稿、また、岩瀬さんのカバの魅力についての投稿、ご覧いただけましたでしょうか?そのバトンを受けた上で、私からはロゼカバについて、現地のこと、そして日本での楽しみ方(お家で・レストランで)をお伝え致します。
カバといえばそのほとんどがカタルーニャ地方で作られます。シャンパーニュのように限られた地方で作られたものだけがカバを名乗れるわけではなく、実はカタルーニャ以外でもカバは造られ、カバと名乗れるのです。今回ご紹介するロゼカバは、カタルーニャよりさらに南、地中海に面したバレンシア地方の内陸部に位置するレケナにて作られます。海に近いバレンシア市内は地中海の温暖で安定した気候ですが、内陸のレケナに入ると大陸性の気候となるため昼夜の寒暖差があり、凝縮感のある香り高い葡萄が育つのです。バレンシアの人が地元の美味しいワインを求めるときは、レケナのワインを選ぶのだそうです。
この地域レケナでは<エンブティドス>というソーセージ類の生産が盛んです。
パプリカで赤くなった<チョリソ>や豚の血とお米が入った黒いソーセージ<モルシージャ>、地元ハーブ(タイムやローズマリー)の入った白いエンブティードスと種類は様々です。<ボージョ>と呼ばれる、エンブティードスが乗った平らなパンも特徴的です。この塩気のあるパンとお肉を口に入れたときに、最も欲しくなるのはやはりワイン!なかでもカバは最高のパートナーですね。ロゼのカバだとお肉やハーブの個性にも負けずに寄り添ってくれます。
現地でのカバにあうお料理をさらにご紹介。このエンブティードスや生ハムなどを挟んだボカディージョ(ボリュームあって食べごたえ抜群!慣れないうちは食べると固いパンのおかげで口内が傷つきます。現地の人の食べるのの早いこと(笑)
トマトやツナの野菜サラダ(バレンシア〜南アリカンテ地方の野菜はスペインの中でも美味しいと有名)、地中海で取れる魚介類(エビ、コウイカ、貝類)など。
仲間や家族との時間を大切にするスペインの人々と、これらの料理やワインで一緒に食事するのは、本当に最高です。そして彼らは、食事の終わりの時間を気にしないことがほとんどです(笑)
日本の家庭料理に合わせるのでしたら、サンドイッチ。ハムやベーコンを加えた野菜サラダ。天ぷら。鮭の塩焼き、ムニエルなどいかがでしょうか。特におすすめなのはやっぱりバレンシアパエリアでしょう!Anetoバレンシアカルドを使ったパエリアなら簡単に本格的な味を再現できます。日本ではなかなか手に入ることのない食材(うさぎやカタツムリ)を使ったカルド(出汁)なので、本場の味を日本で楽しめます。バレンシアで作られるもの同士の地域性での組み合わせですね。
また、個人的にお勧めする、素敵なロゼカバの楽しみ方を一つご紹介します!それは、グラスに注いだカバの中に苺を丸ごと落としてみてください!ロゼカヴァが本来備える苺の香りを引き立ててくれますし、何より可愛くお洒落に飲めるでしょう。
おうちでも楽しみたいけど、やっぱりレストランで!という方は、是非、虎ノ門エルトラゴンさんに!(栗原靖武さんのコラム参照)バレンシアの薪での本格パエリアとロゼカバの相性は、ここまで読んでいただいたら想像は容易いことでしょう。
もう一店のおすすめは、神楽坂にあるエスタシオンさん!こちらミシュラン・ビブグルマンに3年連続で選ばれているスペイン料理の名店。旬の食材と野菜たっぷりのお料理に、ロゼワインを組み合わせて提案しているお店です。日本にいながら本格スペイン料理とロゼの最高の組み合わせを感じられます。
エスタシオンさんのお店紹介動画はこちらより。
また、SWEは定期的にオンラインでスペインワイン旅行も実施しています。ご紹介映像はこちらより。
現地を感じ、日本でも楽しんでみたい!そんな気になっていただけたら私も嬉しいです。
次回もお楽しみに〜
¡Hasta la proxima!