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Something Special ~おいしいのその先に~

野堀貴則「いつの季節もロゼワイン日和」
料理とロゼワインのペアリング

料理とロゼワインのペアリング
野堀貴則

野堀貴則

「estación エスタシオン」オーナーシェフ。神楽坂の人気スパニッシュ「エルプルポ」を経て2015年にモダンスパニッシュとロゼワインをコンセプトに「エスタシオン」をOpen。数年前から年に一回、スペイン地方の郷土料理を学ぶ旅を続けている。特にガリシアが好き。ソムリエの資格も所持し、ワインにも精通。

  • @estacion_kagurazaka:Instagram

東京神楽坂エスタシオンの野堀です。
前回はスペインのロゼの歴史や、風土などに触れてきましたが、今回はエスタシオンの料理とロゼワインのペアリングについて少しお話したいと思います。

エスタシオン=季節、四季
僕のお店では日本の四季折々の食材をたっぷり使った料理を提供しております。
その季節に合わせて野菜、魚、肉などをスペインのいろんな地方の郷土料理をベースにひとつのお皿に仕上げていきます。
そして、料理に合わせてロゼワインをペアリングしています。
ペアリングと言ってもあまり硬く考え過ぎると難しくなってしまうので、その料理の産まれたエリアで作られるロゼワインや、色調、味わいの共通などいろいろなアプローチで合わせるとペアリングは楽しくなるように思います(ロゼワインが好きな気持ちがイチバンのペアリングですが笑)。
今回はエスタシオンでも今お出ししているお料理2品をご案内します。
それに合わせてロゼワインを1皿に2種類いろんな角度で合わせていきましょう。

1品目:「トマト、スイカ、梅干しのガスパチョ」

暑くなる時期によくお出しするガスパチョです。
ガスパチョは本来、トマト、胡瓜、ピーマン、玉ねぎなどのお野菜とパンとビネガーとオリーブオイルで作る濃厚な野菜のスープですがエスタシオンではトマト、スイカ、梅干しの組み合わせでさっぱりに仕上げ、ブラータチーズでまとめてます。

○合わせるロゼワイン
1.カタルーニャ地方のナチュラルな生産者の造るスモイ種やトレパット種などのロゼワイン。
地中海側で造られるワインはどこか明るく軽やかで華やかな気がします。
その中でも近年クラフトなワイナリーのワインが飲みごごちがよくて好きです。
爽やかなでフレッシュなガスパチョに、酸味と軽やかさが染み込む果実の優しいロゼワインを。
2.ナバーラ地方のルビー色の濃いガルナッチャ種のロゼワイン。
ナバーラはスペインでも野菜の産地としても有名です。このエリアのロゼワインは色調は濃くタンニンは優しいワインが多く、味わいはしっかりした果実味とパプリカやトマトを煮詰めたような野菜のニュアンスがあります。
1のアプローチは爽やかなペアリングでしたが2のロゼワインはガスパチョをまろやかでしっかりとした前菜に持ち上げる様なペアリングになりますね。

2品目:「地鶏の煮込みピトゥ」

鎌倉の先輩、アラシダさんに教わったアストゥリアスの郷土料理です。
鶏肉と玉葱を焦がすように焼き炒めながら煮込んでいく料理。焦がして煮込んでいくとコクと鶏の旨味が混ざって深い味わいの煮込み料理になります。

○合わせるワイン
1.バレンシア地方のモナストレル種やボバル種から造られるロゼワイン。
現地でもウサギや鶏のパエジャに合わせたりと、この地方のロゼワインは酸味は控えめでたっぷりとした熟した果実味があります。
鶏と玉葱のマイルドな旨味に寄り添うようなマリアージュ。
2.モンサン、プリオラート地方のカリニャン種やガルナッチャ種から造られる樽熟成した長期熟成型のロゼワイン。
フレッシュに飲まれる事の多いロゼワインですが、樽で熟成したロゼワインもあります。
葡萄の果実味に樽のニュアンス、少し高いアルコール度数からの余韻長さ、そして熟成からくる複雑味。
大振りのグラスに注いで、しっかりとしたお肉料理に合わせると、レストランのメイン料理にしっかりマッチしてくれます。

この様にロゼワインの特徴をしっかり捉えてあげると合わせる料理の良さを引き出す事ができますね。
まぁ、ロゼワインはどの料理にも寄り添ってくれるのでペアリングに困った時はなんとなくロゼワインを合わせてみてください!

今日もロゼワインで乾杯♪

野堀貴則

野堀貴則

「estación エスタシオン」オーナーシェフ。神楽坂の人気スパニッシュ「エルプルポ」を経て2015年にモダンスパニッシュとロゼワインをコンセプトに「エスタシオン」をOpen。数年前から年に一回、スペイン地方の郷土料理を学ぶ旅を続けている。特にガリシアが好き。ソムリエの資格も所持し、ワインにも精通。

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