増渕友子「カタルーニャのこと色々」
Picada ピカーダ
寒い季節には温かい煮込み料理が食べたくなりますね。勿論カタルーニャ料理の中にも様々な煮込み料理があります。
代表的な料理は、Fricando フリカンド(牛肉と茸の煮込み)、Cap-i-pota カピポタ(牛の頭と足の煮込み)、Mandonguilles amb pesols マンドンギーヤス・アム・ペーゾル(肉団子とグリーンピースの煮込み)などなど。
それらの煮込み料理にほぼ必ず加えるカタルーニャ風の「隠し味」があることをご存知ですか?
それがPicada 「ピカーダ」と呼ばれるものです。
Picar(カタルーニャ語、スペイン語共通)が叩く、潰すという意味の動詞で、「叩いたもの、潰したもの」がPicada ピカーダです。
基本的な材料は、ナッツ類(アーモンド、ヘーゼルナッツ、松の実)、イタリアンパセリ、ニンニク、カルキニョーリ(アーモンド入りビスコッティ)など。料理によってはサフラン、チョコレート、揚げパン、鶏や魚のレバーなどを入れることもあります。
これらの材料を、伝統的には乳鉢で、現代的には煮汁などの水分を加えてハンドブレンダーで粉砕し、ドロドロの状態にして(それだけを見る限り決して美味しそうには見えませんが笑)煮込みの完成少し手前頃に鍋の中に投入します。
このピカーダを加えることにより、煮込みに色、風味、とろみ、旨味が増し、たちまちカタルーニャらしい味わいになり、何が入っているかわからないけど何だか美味しい!と思えるような仕上がりになるのです。「ピカーダ」って素晴らしい、究極の隠し味だと私は思っています。
もし皆さんがお家で煮込み料理を作りながら、何かひと味足りないなと思うことがあったらカタルーニャ風のピカーダを加えてみてはいかがでしょうか。ぜひお試し下さい。
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