Ganjapon - グランジャポン

Something Special ~おいしいのその先に~

増渕友子「カタルーニャのこと色々」
Allioli アリオリ

Allioli アリオリ
増渕友子

増渕友子

イタリア、スペイン・カタルーニャ州のレストランでの修行経験を経て、帰国後2011年よりカタルーニャ料理ベースのレストラン「カタルーニャ厨房カサマイヤ」シェフ。

  • レストラン「カタルーニャ厨房カサマイヤ」
  • @casamalla:Instagram
  • カタルーニャ厨房 カサマイヤ Facebookページ
  • カサマイヤ料理教室 YouTubeページ

スペイン料理好きな方はご存知かと思います
Allioli アリオリのお話を少し。

カタルーニャ料理に欠かせないもののひとつで
フィデウア(パスタのパエリア)や、アロスネグラ(イカスミのパエリア)、その他米料理や、肉のグリルなどに添えられます。

名前もカタルーニャ語で
All(ニンニク)i(〜と)oli(オイル)
その名の通り、ニンニクとオイルを乳化させたソースです。
実際の発音は難しく、「アリ」の「リ」は、リとイの中間のような、日本語にはない発音なのですが、まあそれは良いとして…

伝統的な作り方は、morter モルテルと呼ばれる乳鉢を使います。
乳鉢でニンニクをすりつぶしたところに、オリーブオイルを少しずつ垂らしながらカッカッカッカッと混ぜ続けて乳化させるのです。

この作業は実際にやってみると結構難しく、腕力も要ります。
ふた昔くらい前は、このアリオリが上手に作れて初めて一人前の料理人と見なされていたそうです。
卵を入れてより乳化を簡単に、さらに乳鉢ではなくハンドブレンダーで攪拌するのが昨今のモダンで主流なアリオリの作り方です。

カタルーニャ時代、アリオリは賄いにもよく登場していました。

米料理などのときにテーブルにアリオリが無いと、無いぞー!と声が上がり、誰かが慌てて作ったりすることもあり
日本人的には、無きゃ無いでそのまま食べても良いのでは、なんて内心思っていましたが(笑)やっぱりカタルーニャ人には、アリオリは欠かせないんだなと、食文化の違いを感じたこともあります。

また、作る人によって、ニンニクを入れ過ぎてヒリヒリするほど辛いこともあり
「今日のアリオリは誰が作ったんだ!?」
なんてダメ出しも、楽しい思い出です。

田舎のレストランに行くと、メインディッシュは肉のグリルで、仔羊やブティファラ(ソーセージ)、豚足など、厨房の外で焼いていたりします。各自が好きなものをオーダー(私は豚足がお気に入りでした)、運ばれて来る焼き立ての肉料理には必ずアリオリが添えられていました。

肉に良し、付け合わせのジャガイモにも良し、アリオリ好きな人はパンにも付けて。ワインも進むし、危険な食べ物かも知れませんね(笑)。

私の作り方は、卵1個にニンニク1/3片(上品に香る量 笑)、オリーブオイル200ml前後、塩ひとつまみをハンドブレンダーで攪拌して乳化させます。

お好きなものに添えて、カタルーニャ気分を味わってみて下さい。

増渕友子

増渕友子

イタリア、スペイン・カタルーニャ州のレストランでの修行経験を経て、帰国後2011年よりカタルーニャ料理ベースのレストラン「カタルーニャ厨房カサマイヤ」シェフ。

  • レストラン「カタルーニャ厨房カサマイヤ」
  • @casamalla:Instagram
  • カタルーニャ厨房 カサマイヤ Facebookページ
  • カサマイヤ料理教室 YouTubeページ

© 2006 Granjapon.