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Something Special ~おいしいのその先に~

金子シュウイチ「no spanish wine no life」
G!G!G!Garnacha! Gredos!Granito!

G!G!G!Garnacha! Gredos!Granito!
金子シュウイチ

金子シュウイチ

都内でスペイン料理店を展開するSoLグループ株式会社ソルインターナショナルの統括マネージャー/統括ソムリエ。イベント企画やセミナー講師などを通じ、スペインワインの普及に尽力。スペインのクラフトワインとスポーツを愛してやまない。

  • marisqueria SoL | 六本木のスパニッシュバル

こんにちは。マリスケリアソルの金子です。
まだまだ暖かい日が続いておりますが、少しずつ秋の香りを感じる季節になってきましたね。美味しい秋の味覚も続々登場してきていますしね。
暖かい料理が増えてくると、赤ワインの飲む機会も増えて来るのではないでしょうか?

僕はもっぱらスペインのワインに触れている時間が長いので、スペインワインばかり飲んでいますし、個人的には冷たいワインばかり飲んでいます。赤ワインも出来る限り冷やし気味(9~13度)で美味しいと思えるものが好きなんです。理由は色々あるんですけど。

皆様にとってスペインの赤ワインってどういう印象を持たれてるのでしょうか??
やっぱりタンニンが豊富で力強く、太陽を沢山浴びて育った情熱的なワインの印象ですかね?いわゆるクラシックなテンプラニージョ(Tempranillo)主体なものが多いのですかね?
僕の経験では圧倒的に多いです(笑)。

うちのお店はmarisqueria=魚介専門店なので、メニューの8割以上は魚介メニューが中心です。
基本赤ワイン選びも魚介にいかにフィットするかを考えています。
勿論王道的なクラシックスタイルのワインもご用意していますが、やっぱり料理の味を壊してしまうようなワインはお薦めしたくないんですよね。
勿論肉料理の時はお薦めしますし、ゆっくり飲まれたい方には出来る限りのご要望にお答えしています。

そんな中で僕が数年前からずっと大好きなワイン産地の一つがあります。
それがシエラ・デ・グレドス(Sierra de Gredos)の赤ワインです。冷涼感ときれいな酸が特徴で重心は軽く、芯があるけどタンニンは少ない分、火を加えたり、焼き目のある魚料理などには良く合います。この時期だと脂の乗ったサンマのグリルにはタンニンの少ない若めのグレドスの赤ワインは実は良く合うんです。

このシエラ・デ・グレドスはマドリードから西側にあるグレドス山脈を中心とするワイン産地です。メントリダ、セブレロス、ビノス・デ・マドリッドの3つのD.O.がこのエリアに含まれ、少しずつ個性が違います。共通しているのが600m~1200mととっても標高が高く乾燥した地中海性気候で平均気温は12~14℃。土壌は砂利、砂、花崗岩が入交り、栗やアーモンド、スピノサスモモやハーブ類も沢山生い茂っているとても自然が豊かなエリアです。ワイン造りの歴史は1150年からと長く、未だに樹齢100年を越すようなものも多いんです。

このエリアの主要品種はアラゴン州が原産のガルナッチャ種です。数年前まではスペイン最大の生産量を誇っていた黒ブドウ品種です。スペインでも様々な地域で栽培されていますが、ここグレドスでのガルナッチャが注目されるきっかけとなったのは、1996年に【ルイス・サアベドラ】がマドリードの最西端のサンマルティン地区の急斜面で樹齢70年~100年のガルナッチャを別々に造り始めたのがきっかけと言われています。
3年後の1999年に空飛ぶ醸造家の【テルモ・ロドリゲス】がセブレロスの花崗岩と粘板岩土壌の1050mの標高で高樹齢のブドウを再発見し、【ペガソ・バランコス・デ・ピサーラ】が誕生しました。僕も初めて口にした時の感動は忘れません。
このワインの誕生により、グレドス山脈に有能な醸造家が台頭してきました。セブレロスをテルモが開拓し、メントリダのティエタル渓谷の最南端を開拓したのが、【ベラルミノ・フェルナンデス】と【アルフォンソ・チャコン】よって作られた【ボデガス・キャノピー】でした。

そして彼らに続き、今やグレドスの顔となったのが、【フェルナンド・ガルシア(ボデガス・マラニョネス)】と【ホセ・ヒメネス・ランディ(ヒメネス・ランディ)】。そして、彼のいとこの【ダニエル・ゴメス・ランディ(ダニエル・ランディ)】です。そしてフェルナンド・ガルシアとダニエル・ゴメス・ランディーの二人によって作られたプロジェクトが【グレドス】【ガルナッチャ】【グラニート】から頭文字をとって出来た【コマンドG】です。
彼らのワインは従来のガルナッチャとは一線を画して、個人的には世界最高峰のガルナッチャと思っています。1000m級の標高で100年近い高樹齢で完成する彼らのワインは上質な酸と冷涼感、ピュアで滑らかな口当たり、優雅で長い芳香のエレガントスタイルは、正に『The グレドス』とも言え、グレドスのテロワールを象徴する味わいだと思ってます。冒頭で伝えたスペインワインのイメージを抱いている方に是非飲んで頂きたいなぁと思ってます。その後2016年,2018年に彼らのワインはワインアドヴォケイトで100点を叩き出し正にグレドスの顔となりました。

僕も大好きなフェルナンド・ガルシアはボデガス・マラニョネスから抜け今はコマンドGの醸造家として奮闘しているそうです。

その後もグレドス山脈をハイキング中に意気投合してワインプロジェクトを始めたマドリード出身4人組(ハビエル・ガルシア、ローラ・ロブレス、デビッド・モレノ、デビッド・ベラスコ)、その名も『4匹の猿』の意味を成す【4Monos Viticultores】がとても厳しい環境の中で育つブドウを使用してテロワールごとにエレガントスタイルのワインを作っています。

グレドスエリアのワインは僕が見てきた20年ぐらいの中では一番進化したスペインワイン産地だと思います。これからもずっと追い求めたいと思いってます。実は白ワインもとっても美味しいですけど、このお話はまたいつかということで…。

皆様ももし機会があれば【リオハのテンプラニージョ】ではなくて、【グレドスのガルナッチャ】を試してほしいなと思ってます。

魚介専門店六本木一丁目「マリスケリアソル(marisquería sol)」のご紹介

魚介専門店六本木一丁目「マリスケリアソル(marisquería sol)」
店舗情報
住所 〒106-0032
東京都港区六本木2-3-6セントラルクリブ六本木2-1F
アクセス 東京メトロ「六本木一丁目駅」3番出口より徒歩2分。東京メトロ「溜池山王駅」13番出口より徒歩6分。東京メトロ・都営大江戸線「六本木駅」6番出口より徒歩7分。「六本木一丁目駅」3番出口を出て、歩道橋で麻布通り・六本木通りを渡る。歩道橋を降りて、すぐ右手に現れる店舗へ。
URL http://www.marisqueria-sol-roppongi.com/
金子シュウイチ

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都内でスペイン料理店を展開するSoLグループ株式会社ソルインターナショナルの統括マネージャー/統括ソムリエ。イベント企画やセミナー講師などを通じ、スペインワインの普及に尽力。スペインのクラフトワインとスポーツを愛してやまない。

  • marisqueria SoL | 六本木のスパニッシュバル

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