cava生誕150年

金子シュウイチ「no spanish wine no life」
cava生誕150年

都内でスペイン料理店を展開するSoLグループ株式会社ソルインターナショナルの統括マネージャー／統括ソムリエ。イベント企画やセミナー講師などを通じ、スペインワインの普及に尽力。スペインのクラフトワインとスポーツを愛してやまない。

こんにちは。マリスケリアソルの金子です。
気持ちの良い春から本格的な夏まであと少しですね。
暑くなると、キンキンに冷えたビールも美味しいですが、しっかりと冷えたスパークリングワインも気持ちを躍らせてくれますよね。

スペインのスパークリングワインの事をスペイン語でEspumoso（エスプモーソ）と言いますが、日本でも世界中でもスペインのスパークリングワインと言ったら皆様もご存じの『Cavaカバ』のほうが知名度は高いですね。
シャンパーニュより安く、手頃といったイメージをお持ちの方も多いと思いますが、知れば知るほど奥が深く、上級のスパークリングワインは、シャンパーニュとはまた違った上質な芳香と熟成感と奥深い味わいに魅了されると思います。

そんな『Cavaカバ』ですが、発祥は1872年つまり2022年の今年でCava誕生150周年なのです！
是非多くの方にCAVAを飲む機会が増えてくれたらよいなと思っています。
2018年5月にカバ発祥のこのワイナリーに訪れる機会があったので今回はその思い出を振り返ってのお話です。

古い資料でスパークリングワインの醸造を試みたという記事はもっと昔にあるのですが、正式な『瓶内二次発酵製法（シャンパーニュ製法）』を用いての記録は、カタルーニャ州のペネデス地方にあるワインメーカーの18代当主ホセ・ラベントス・イ・ファトフォ氏が、1860年代からシャンパーニュ地方を巡り、醸造方法を持ち帰り、マカベオ、チャレロ、パレリャーダというブドウを用い造られたのが始まりだと言われています。このコドルニュー一族は約470年前にスペインのカタルーニャ州のペネデス地区のサン・サドゥルニ・ダノイア（バルセロナから北西40km）から始まった歴史あるワイナリーとされています。家族経営ですが、長い歴史と5つの家系で約600の子孫がいるそうです。
すごい歴史ある家族ですよね。この一族は新生児の洗礼式で小さじ一杯のCAVAを与える儀式も続いているそうです。勿論ちゃんとその後吐き出すそうですが（笑）。

大きな鉄の門を潜ると中に入ると壮大な大地の中に素晴らしい庭園といくつかの建物がありますが、この建物はモダン建築科ホセ・プイ・イ・カダファルチというガウディーと並ぶ有名なスペインの建築家だそうです。Caves Codorniuと名付けられ歴史的芸術記念碑が建てられていました。

歴史ある天井の高い石畳で出来た建物は圧巻でした。中には当初使用していた醸造器具がいたるところに飾られていました。

地下へ進むと、何キロあったのでしょう！？巨大な迷路のような地下貯蔵庫があり、数十年前のワインから色々とトロッコに乗って遊園地気分で見学できるのもこのワイナリーの楽しみでした。
このコドルニュー・ラベントス家の何世代に渡る努力の甲斐が実り、CAVAは世界を代表するスパークリングワインへと成長してきたのです。
スペインでスパークリングワインが誕生してから150年が経ち、今ではCAVAを名乗らずに自由なスタイルのEspumoso（スパークリングワイン）を造る醸造家も近年増えてきましたが、元々はホセ・ラベントス氏の血の滲むような努力から始まったという歴史も知っておいて欲しいなと思います。

今年150周年という記念のCAVAを折角だから飲んでみようと思って頂いた方に
シチュエーションにあった簡単なCAVAの見分け方をご説明しましょう。
CAVAには必ず下のシールがついています。このシールを見分けるだけで簡単に料理と合わせられますので知っておくと便利です。