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Something Special ~おいしいのその先に~

金子シュウイチ「no spanish wine no life」
スペインのアイランドワイン カナリア諸島ランサローテ編

スペインのアイランドワイン カナリア諸島ランサローテ編
金子シュウイチ

金子シュウイチ

都内でスペイン料理店を展開するSoLグループ株式会社ソルインターナショナルの統括マネージャー/統括ソムリエ。イベント企画やセミナー講師などを通じ、スペインワインの普及に尽力。スペインのクラフトワインとスポーツを愛してやまない。

  • marisqueria SoL | 六本木のスパニッシュバル

こんにちは。マリスケリアソルの金子です。
やっと寒い冬が終わり春到来ですね。僕の場合は花粉症も到来できつい日々が続いていますが…。

さて今回は僕がずっと注目しているスペインのアイランドワイン。カナリア諸島に関して色々とお話したいと思います。
日本生まれの私たちも海に囲まれた島国育ち。色々と共通点も多く、共感出来るところが多いと思います。

世界中のワイン評論家からの評価もとても高く近年もっとも注目されている産地と言えます。
そんなカナリア諸島ですが、まずどこにあるかと言いますと、スペインから遥か南に進みアフリカ大陸の北西側の大西洋に位置し七つの島からなる諸島となっています。
一番近いモロッコからでも最低100キロ以上離れた場所に位置しています。
諸島は七つの島から出来ていて、東からランサローテ(Lanzarote)、フエルテベントゥーラ(Fuerteventura)、グラン・カナリア(Gran Canaria)、テネリフェ(Tenerife)、ラ・ゴメラ(La Gomera)、ラ・パルマ(La Palma)、エル・イエロ(El Hierro)となっています。

いわば日本でいう伊豆七島で遥か300年前からワインを造り、今世界に注目されているワイン産地といえばわかりやすいですかね。

そしてカナリヤ諸島にはDO(原産地呼称名称)が全部で10ヶ所あります。
そのうちの5ヶ所はテネリフェ島にあります。
北側に
◉タコロンテ・アセンテホ Tacoronte Acentejo、
◉バーリェ・デ・ラ・オロタバ Valle de la Orotava、
◉イコデン・ダウテ・イソーラ Ycoden – Daute – Isora
南には砂漠地帯で、
◉アボナ Abona
◉バーリェ・デ・グイーマルVallede Güímar
と続きます。

さらに東の島から
◉ランサローテLanzarote
◉グラン・カナリアGran canaria
◉ラ・ゴメラLa Gomera
◉ラ・パルマLa Palma
◉エル・イエロEl Hierro

砂漠の島フエルテベントゥーラ Fuerteventuraだけはワインが造られていませんが、マホレロというヤギのチーズが有名な産地となっています。

カナリア諸島といっても各島ごとにそれぞれ特色があります。

今回はもっとも東に位置するランサローテ島のワインのお話です。
島の面積は845㎢日本の佐渡島と同じぐらいです。
人口は僅か14万人ほどです。
この島の畑は正に唯一無二のブドウ畑なんです。

しかし以外にもカナリア諸島の中でもワイン作りが始まったのは最後の島でした。理由は単純に火山地帯にぶどう栽培は不適切と考えられていたからです。
1730年から続いた火山の噴火により3メートルの火山灰(ローフェ)が積もり、島の三分の一を覆いました。
この層にクレーターのような2メートルほどの穴を掘り葡萄の木を植え穴の縁を火山岩(ソコsoco)を積み上げて粉塵やアフリカ大陸からの貿易風を防いで栽培が始められました。
これはオジョスHoyosと呼ばれるこの島独特な栽培方法である。

気候は乾燥帯の亜熱帯気候でアリシオスと呼ばれる貿易風が吹いています。19世紀に起こったフィロキセラの影響を受けずに自根のまま100年以上も生息している古木(ピエフランコ)も珍しくありません。

降水量は極端に少ないのですが、火山灰(ローフェ)が雨水の濾過は促進し、水分を節約する能力を持っていることを発見し、ワイン作りに着手したのが始まりとされています。更にこのローフェは年間を通して島の希少な雨からの水が急速に蒸発するのを防ぐ熱調節効果があるとされています。

この島の固有品種といえば何といっても忘れてはならないのが、マルバジア・ボルカニカです。
非常に豊かな芳香があり、しっかりとした酸の中にしっかりと骨格があり、熟成にも適した葡萄品種です。ローフェから来る硬質的なミネラルと、アリシオスから来る塩気も特徴的です。この島の60%はマルバジア・ボルカニカを栽培しています。

その他のも

白ブドウ
Listán blanca ,Albillo, Güal, Moscatel de Alejandría, Vijariego , Diego ,Verdello.

黒ブドウ
Listán Negra , Almuñeco, Negramoll ,Mulata, Malvasía Rosada , Tintilla.

など土着品種も多く、白以外にも、ロゼ、赤、デザートワインなど色々と造らています。それぞれに特徴がありますが、この島のワインを飲むなら先ずは白ワイン選びましょう。そしてマルバジア・ボルカニカを飲んでみるのをお薦めします。

激しい火山活動によって誕生した唯一無二のこの土壌と、世界では類のないオジョスHoyos式栽培方法で育てられたぶどう畑。無論機械が入る余地はなく遥か昔からずっと続けけられてきたこの自然派ワインは飲む価値があると思います。

生産本数も少ないワインばかりで、輸出量は10%にも満たしていませんが、日本にも輸入されています。
先日は2017年に誕生した新星ワイナリープーロ・ロフェPuro Rofeワイナリーのワインを試飲させて頂きました。100年を越す自根ブドウとランサローテのテロワールを存分感じることが出来る素晴らしいワインばかりでした。

当店でも少ない本数ですがご用意しておりますのでお気軽にお越しください。
次回はテネリフェ島についてお話したいと思います。

魚介専門店六本木一丁目「マリスケリアソル(marisquería sol)」のご紹介

魚介専門店六本木一丁目「マリスケリアソル(marisquería sol)」
店舗情報
住所 〒106-0032
東京都港区六本木2-3-6セントラルクリブ六本木2-1F
アクセス 東京メトロ「六本木一丁目駅」3番出口より徒歩2分。東京メトロ「溜池山王駅」13番出口より徒歩6分。東京メトロ・都営大江戸線「六本木駅」6番出口より徒歩7分。「六本木一丁目駅」3番出口を出て、歩道橋で麻布通り・六本木通りを渡る。歩道橋を降りて、すぐ右手に現れる店舗へ。
URL http://www.marisqueria-sol-roppongi.com/
金子シュウイチ

金子シュウイチ

都内でスペイン料理店を展開するSoLグループ株式会社ソルインターナショナルの統括マネージャー/統括ソムリエ。イベント企画やセミナー講師などを通じ、スペインワインの普及に尽力。スペインのクラフトワインとスポーツを愛してやまない。

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