加藤智保子「笑顔を呼ぶオリーブ」
本当にエクストラバージンオリーブオイル?
多くの農産物がそうであるようにオリーブの出来、不出来もその年の気候に左右されます。
ご記憶にある方もいらっしゃるかと思いますが、北半球のオリーブは 2022,2023年続けての大不作でした。
多くは春に雨が降らずそのまま夏に突入してしまうことで、結実した実そのものが完全な水分不足でしわくちゃに枯れている状態が見られました。


この2年連続の不作をきっかけにオリーブオイルは値上がりした!と言われておりますが全てのオリーブオイルが異常な値上がりをしたわけではありません。
元々高い!と言われたランクのオイルはほとんど価格が変わっていません。いわゆるスーパーなどに大量に出回っているオリーブオイルの多くは1.5倍〜2倍くらいの値上がりが見られたかと思います。

オリーブは収穫して劣化が始まります。
良いオイルにするためにはすぐに搾油をして状態を見てデカンタしたりフィルターにかけたりと一連の作業によりオイルとなりますが、全てのオリーブを一度に生産できるわけではありません。
全て良いものを作ろうとした場合、とてつもない機械の数と人間の数が必要となるのです。

収穫をしたもののすぐに搾油されないオリーブ、また搾油に適した時期を過ぎたけれど木についたままのオリーブ、などが非常に多いのです。
12月頃からこれらを絞ると香りも悪くベタベタとしたオイルや、ディフェットと呼ばれる品質の欠陥したオイルができます。古くなりすぎたナッツなどの酸化臭などが多くみられます。
機械的作業のみを経たものなので、バージンオイルとは言えますが、本来は官能テストに合格しなければエクストラバージンオリーブオイルとは呼べないのです。酸化臭などの欠陥が一つでもあればそれはもうエクストラバージンとは呼んではいけないのです。


このエクストラバージンであるか、ないかの基準をを決めているのはIOC(International Olive Council)なのですが日本は加盟しておりません。
流通は多くしているものの、生産が微量であるからかと思いますが、ようやく2018年に香川県にある官能評価をするパネルと呼ばれるテイスターグループがIOCから公的に認定されました。
エクストラバージンであるためには酸度0.8%以下かつ、官能テストに合格したもの、というIOC基準があります。
化学的な成分分析検査により、脂肪酸の割合、残留農薬、またポリフェノール量などは数値として目で見ることができます。
ですが、最終的にエクストラバージンの基準を満たすかどうか、欠陥があるのかないのかを測るのは人間の舌と鼻なのです。
オリーブオイルは人間の味覚、嗅覚で品質をカテゴライズされるオイルなのです。


現在日本で流通するオイルはIOCの基準を満たしていなくてもエクストラバージンとして実は販売できてしまうと言う面もあります。 その品質を見分けるには使う私たちが味わうしかありません。
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